2日目;温泉編
地獄谷から下山して、渋温泉の名旅館・歴史の宿 金具屋さんに到着したのは、17時過ぎであった・・・。
もう少し早く入って、お宿内の「館内八湯」巡りをしたかった・・・(*_*)
広~い畳敷きの風情溢れるフロントはカウンターも低くて、直に座椅子&座布団に座ってチェックイン
出来る、変わった設えだ!!
1300年の歴史を誇る渋温泉は、ノスタルジックな石畳の小路がお洒落でどこか懐かしい温泉街。
このお宿の前を通る小路は、名刹・善光寺と群馬県・草津を結ぶ草津街道であり、渋温泉は志賀高原の
山越えの宿場町として栄えてきた。
歴史の宿 金具屋さんは、渋温泉の中でもひときわ素晴らしい建築様式の「斉月楼」が目立つ、老舗の高級な
純和風温泉旅館。
元は松代藩出入りの鍛冶屋さんであったので、当時の松代藩主から「金具屋」と名付けられたという、
創業約250年の老舗旅館だ。
1936年(昭和11年)築・木造4階建ての、数寄屋造りの見事な四層楼「斉月楼」は、アニメ「千と千尋の
神隠し」の「油屋」のモデルにもなったとのこと!!!
この建物と、二重の格天井が見事な大広間「飛天の間」は、2003年に文化庁の登録有形文化財に指定された。
写真右部が「斉月楼」・左部が「鎌倉風呂」の建物
ライトアップされた「斉月楼」とお宿のスタッフさんたちによるサービスの「カオナシ」^^
「斉月楼」一階~二階に登る木造の階段 ピカピカに磨き抜かれている✧
夕食・朝食会場の「飛天の間」の二重格天井
お宿の内部はまるでタイムスリップしたかのような錯覚になるほどの、古き佳き時代の佇まいそのまま!!
隅々まで昔ながらの手法で手入れされていることで維持管理、伝統の日本建築は年間に約2,000万円の
修繕費をかけて維持されているという。
それもそのはず、宿泊料はおせじにも安いといえるものではなかったが・・・
その上を行く建物&温泉・お料理の素晴らしさは、お値段の数倍の価値があった!!✧
まずはその素晴らしい「斉月楼」の建物めぐりをしたが、館内の至る所に、宮大工さんの粋な建築技術や
センスがうかがわれた。
月に見立てた灯りと富士山を模した階段の踊り場
左は水車の歯車・右はカラ傘を模した粋な装飾✧
案内していただいたお部屋は、このお宿の中でも一番新しい棟(1958・昭和33年築/1980年改装)で、
唯一の鉄筋コンクリート建築の「神明の館」2階・「高井の里」という部屋で、窓からは情緒ある石畳の
温泉街が見えた。
バストイレ付きの便利なお部屋は、10畳+茶室5畳+テラスの現代的な部屋だったが、このお部屋まで来る
途中の廊下には、なまこ壁が張ってあったりと風情があった。
その他、最も年季の入った1906年(明治41年)築・2001年改装の「潜龍楼」と、1929年築・1950年改装の
「居人荘」があり、計5棟・計29室。
すべて趣きのある、ひとつとして同じタイプのお部屋が無い純和室とのこと。
くつろぎのお部屋で少し休んだあとは、このお宿のもうひとつの名物「館内八湯」めぐりへ!!♨
なんと全てのお風呂が、100%源泉かけ流し!!
夕食まであまり時間が無いが、この時期はまだまだ日が長かったので・・・
明るいうちに、宿泊している「神明の館」屋上にある男女別の露天風呂「龍瑞」へ♬♨^^
ず~~~っと貸切状態で、ゆ~っくりと良質の源泉かけ流しの温泉を満喫できて超ラッキー(*^-^*)
このお宿の温泉の泉質は源泉により3種あるが、この「龍瑞」は5つの貸切風呂と同じ泉質。
舟の形をした一番広い「和予の湯」・壁から天井まで自然石で囲まれた「岩窟の湯」・打たせ湯が楽しめる
「子安の湯」・露天風呂「龍瑞」と同じ浅間石で造られた小浴槽「恵和の湯」・さわら、ヒバなどの木曽の
銘木だけを使った円形の湯船「美妙の湯」と、とってもバラエティー豊か!!!✧
「岩窟の湯」以外には、便利なシャワーも付いている^^ シャワーのお湯も温泉とのこと♨✧
しかしこの日は満室だったらしく、大人気の貸切風呂たちはいつ行っても、どこも使用中で・・・
結局、自分たちが利用できたのは、その中の「子安の湯」と「美妙の湯」の2つだけであった(*_*)
まあその分、大浴場はどこもすいていたので広々と、ず~~っと貸切状態で良質の温泉を心ゆくまで
思いっきり堪能できた♬✧
・・・だが・・・どちらが良かったのか・・・・・・次回いつか訪れたら、今度は全制覇するぞぉ~~っっ!!
以上のお風呂たちの泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
pH; 8.2 無色透明・微塩味・微硫黄臭 源泉かけ流し!!
館内のお部屋のお風呂・洗面所のお湯等にも、このクセの無い良質なお湯が使用されている。
露天風呂「龍瑞」を思い切り楽しんだあとは、「潜龍荘」一階の「浪漫風呂」へ♨✧
250年ほど前にこのお宿の敷地内に温泉が湧き出たため、鍛冶屋さんから温泉宿になったきっかけを作った
のが、今も変わらずとうとうと湧き出ているこの内湯のお湯。
昭和25年築のこのお風呂は当時「ローマ風呂」と言われていた。
その内装は、当時流行していた洋式を反映しており、タイルやお洒落な形の窓にはステンドグラスが設えられている!!✧
大きな円形の浴槽の真ん中からは、源泉が贅沢に注がれている♨
ただ・・・昔の建築そのままなので、洗い場にはシャワーがなく、カランのみ・・・
ここでもず~~っと貸切状態で思いっきり、温泉情緒溢れる良質なお湯を満喫できた!(^^)!♨✧
泉質; ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 pH; 6.8 源泉かけ流し!!
黄濁色・鉄味&微塩味・微鉄臭
翌朝は、男女が入れ替わっており、最後の大浴場「鎌倉風呂」へ(*^-^*)
鎌倉時代の建築を模して造られたので、この名が付いたとのこと。
先程訪れた地獄谷の、渋温泉最大の源泉・地獄谷荒井河原比良の湯と、横湯山温泉寺に湧く寺湯との混合泉の
お湯は、白い湯花がたくさん舞う温泉情緒漂う良質の温泉♨✧
ひょうたん型の湯船に、源泉がなみなみと注がれている(*^。^*)♬
このお風呂にも、洗い場にはシャワーが無くてカランのみで不便だが・・・まあまたこれが風流でもある。
此処でも、ず~~っと貸切状態で良質の温泉をゆ~~ったりと心ゆくまで堪能できた!!!✧
泉質; ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 pH; 5.7 源泉かけ流し!!
微白濁色(in白い湯花♡)・微苦塩味・無臭
三種の泉質は、成分的にはさほど大きな変化はないので、効能もほとんど共通。
神経痛・筋肉痛・関節痛・打ち身・くじき・冷え性・慢性消化器病・五十肩・運動麻痺・疲労回復などの
一般適応症のほか
慢性皮膚病・慢性婦人病・動脈硬化症・切り傷・やけど・虚弱児童などによく効く。
朝8時半~お宿所有の源泉を、説明付きで巡るツアーを実施(前日までに要予約・無料^^)してくださって
いるので、自分のような温泉大好き人間にはたまらない♬^^
また、毎日夕方17時半~30分間、館内文化財巡りツアーを実施(要予約・無料^^)している、
とっても気前の良いお宿。
※ 両方のツアーは、イケメンの9代目さんが案内してくださいます!(^^)!
また、冬期は暖房に温泉熱を利用しているという、とってもエコなお宿!!!
風情ある「鎌倉風呂」♨
そして楽しみな夕食は、国指定登録有形文化財の大広間「飛天の間」でゆっくりといただいた。
まずは「斉月楼」の一階~二階には木造の階段で上り、二階からはなんとエレベーターが!!
1949年(昭和24年)築の大広間棟に到着すると、一つ下の階で降ろされ、さらに木造の階段を上り、
大広間の階に到着!!✧
167畳の広さで、圧倒されるほど素晴らしい二重の格天井&他に類を見ない宮大工さんの最高級技術である、
天井と壁の間のアーチ状の細工「折上げ」を観賞しながらのお食事はとっても感動的!!✧
しかも、大広間と聞くと・・・騒々しい団体旅行的なイメージがあるが、このお宿の粋なサービス精神は、
此処でも大いに発揮されていて、大広間の両脇の縦に沿って窓側一列ずつのみのお席の配置だった!!!
とっても贅沢な配置だ✧^^
お隣との間は約4~5メートル(センチメートルではない!)も離れているのだ!!
そして前後は衝立てで仕切られているので、すごくリラックスできる♬✧
自分たちのお席は山側だったので、暑い日であったが山からの涼しい風が吹き込んできて、と~っても
涼しかった~(^o^)✧
郷土和会席料理「不老膳」は、信州の食材をふんだんに使用した、信州の食文化を体験できる「不老」が
テーマの、どの品も美味しいお料理✧^^
ニジマスとブラウントラウトを交配させた新品種・信州サーモンと湯葉のお造りと馬刺しは絶品!!♡^^
春に採っておいた山菜もとっても美味しく、山ウドの酢の物・きのこ料理・凍み豆腐の炊き合わせ・
信州とろろそばなどなど、と~っても美味しく、地ビールと共に美味しく完食(*^u^*)
シメのご飯&なめこ汁やデザートも美味しかった~♬^^
このお宿のお食事は量が多いと評判だが・・・大食いの自分はド楽勝~~(^^ゞ
同行者・娘の苦手な品も2・3品ほどもらっていただいていたほど✧^^
担当してくださった感じの良い仲居さんが結構驚いていた感じだった・・・・・・!!!
翌朝の朝食も同じお席で、ゆ~っくりといただいた。
うれしい麦とろご飯はとっても美味しく、卵黄・クコの実・漬物などをお好みで入れられるのもうれしい^^
もちろん何も申し出なくても、大嫌いな納豆は出てこない\(^o^)/
朝から、豊富な山菜・きのこにも感激!!♡^^
山のお宿に来るといつも楽しみなのが、大好物なこのふたつ♬✧
チェックアウト時間の10時まで、再度「斉月楼」の館内の建築美を観賞しに行き、この魅力溢れる素晴らしい
歴史あるお宿を最後まで満喫した(*^-^*)♬
そして、親切なスタッフさんに、長野電鉄・湯田中駅まで送っていただいた。
次回は、日帰りで熊の湯温泉~湯田中温泉・よろづやさんに宿泊します。