温泉巡り旅の醍醐味

ヤフーブログ移行時、崩れてしまった書式は修復終了しました!1人旅の最新記事は別ブログ「温泉巡り一人旅の楽しみは・・・」に更新中です♨

大地の芸術祭 越後妻有 アート トリエンナーレ 2018

  
現在「おんせん県おおいた 湯三昧一人旅」3泊4日の、ちょうど3日目までを終了して、
今回は最終日・1湯目の湯巡り記事の予定でしたが・・・
先月下旬に、仕事の合間を縫って急遽、行くことになってせわしく行ってきた、新潟県の
十日町市にて開催されている、大地の芸術祭 アートトリエンナーレ2018の一部の素晴らしい
アート作品をご紹介したいと思います。
こちらの開催日は、7/29(日)~9/17(日)の51日間なので・・・
あと4日間で終了してしまうため、途中で割り込む形となってしまいました・・・(- -;;;)
宿泊はモチロン!!! 温泉旅館でしたが・・・この記録は今回は無しで、順を追って後日ゆっくりと
更新しようと思います。
※ 上記開催期間が終了しても、常設作品は約200ほどあるとのことです✧
 
この芸術祭は、新潟県の越後妻有(つまり)地域・十日町市と津南町の、760k㎡もの広域に
わたって、十日町市街地に位置する越後妻有里山近代美術館 キナーレを中心に、過疎高齢化が
進む日本有数の豪雪地であるこの地域を舞台に、2000年から3年に1回開催される、
世界最大級の国際芸術祭です。
総合ディレクターさんは、新潟県上越市ご出身で東京芸術大学卒の北川フラム氏で、美しい
癒しの里山風景の中、およそ200の集落に現代アート作品が散在していて、現代の合理化・
効率化の対極として、徹底的な非合理化・非効率化を試みられたとのことです。
世界的アーティストが手掛けられた約200の「常設作品」に加え、会期中には新作が公開されています。
それぞれのアート作品は、里山の美しさ・豊かさを際立たせています。(HPより)
 
自分は今回、数ヶ所しか巡れませんでしたが・・・
それでも・・・約20年ほど前、津南町の「河岸段丘」地質学ゼミで訪れた際、スキーシーズン
オフのせいか、緑が多くて美しいけど何だかうら寂しい町の印象を受けたのですが・・・
今回は、掌を返したように超絶賑わっていて地域全体に活気が溢れていて、以前とはまったく
別の場所のような明るい感じになっていたので、この企画は物凄く画期的で地域活性化に
大いに貢献されていると感じられました。
 
JR越後湯沢駅からレンタカーで、国道17号線~県道76~334号線経由で国道117号線に出て
県道340号線沿いに位置する越後妻有里山近代美術館 キナーレに、2日前から十日町入りして
いる大親友(←ペーパードライバー^^;;)を拾いに行き、遅めの昼飯をとってから・・・
十日町市・中里地区にある、日本三大峡谷・清津峡の観光トンネル内にあるアート作品から
鑑賞しました✧
 
 
清津峡渓谷トンネルは、2018年4月28日にリニューアルオープンされましたが、その際に
中国出身の建築家・マ ヤンソン氏と彼によって設立されたMAD Architects(建築事務所)の方々による
作品「ライトケーブ」(トンネル内部作品タイトル)が作られたとのことです。
 
イメージ 1
とーっても涼しくて神秘的なライトケーブ
 
 
閉門時間が通常は16:30なので、焦って16時過ぎに入ったのですが・・・
この日は金曜日で混雑しているらしく(勤務地が八重洲なので半休を取って12時過ぎの新幹線で
向かえました・・^^)17時閉門でしたが、自分らを含め殆どの方々は知らなかったらしく?
意外にも、ガラガラだったので・・・
誰も居ない写真を多く撮ることが出来て超ラッキーでした~~(✧▽✧)♬
当初は、翌朝一番に入れば空いている?と思ったけど超絶大間違いで、9時頃から既に激混み状態
化していたので、穴場は平日の夕方かと思われます!!
ちなみに・・・清津峡の駐車場に向かう側の車線は大渋滞でした・・・・・・!!!
 
 
イメージ 2
「ライトケーブ」の作品の中で自分が最も気に入った特徴的な作品✧♬
 
イメージ 3 
最も奥に位置する「パノラマステーション」✧   今回の芸術祭で一番人気とのこと!!✧
     床一面に渓谷から湧き出る沢水を張り、トンネル壁面にはステンレス板を張ることにより
     外の景色が内部空間に映し込まれ、半円であった外部の風景が完全な円として光の
     トンネルを映し出すとのこと✧ (いただいたパンフレットより)
 
イメージ 4 
壁面右側から・・・床面に張られた沢水が湧き出ているところを☆
 
イメージ 7 
 涼やかな渓谷の水に入っている勇者が!!!(かなり冷たいらしいけど入れます✧^^)
最初は・・・まるでただのツヤツヤした床面で水が張られてないと思ったけど・・・彼が入ったことに
よって、初めて水が張られていることを実感!!(*^^*) 揺れる水面もアートな感じ♬✧
 
イメージ 5
トンネル最先端部「パノラマステーション」から見た「柱状節理」のV字谷が圧倒的!!
※ 「柱状(ちゅうじょう)節理」とは・・・火山噴火時のマグマがゆっくりと冷却固結する
       際に五角形や六角形などの柱状の亀裂が出来た火成岩のこと
 
イメージ 6
もう少し遠くから撮影してみると・・・半円形のトンネルが水面に映って円形の
        シルエットになりました✧^^
 
 
 
次は、同じ十日町市中里地区にある「うつすいえ」に向かいました。
(東京電機大学・山本空間研究室+共立女子大学・堀ゼミ) 中里地区 小出集落(2010年)
 
イメージ 8
駐車場は橋を渡った少し離れた場所で、約200m歩いて向かう途中「清津川」の清流を☆
 
イメージ 9 
     「過去から未来へ時をつなぐ」をコンセプトに、井出創太郎+高浜利也両氏によって改装
     された2006年の作品「小出の家」
     その意志を受け継いで、東京電機大学・山本空間研究室+共立女子大学・堀ゼミの大学生が
     宿泊できるセミナーハウスとしてセルフビルドで改修を行ない、制作した作品とのこと!!
     東京の大学生が都会を離れた土地で、自然や人と向き合うことのできる活動拠点に生まれ
     変わったという、めっちゃ画期的な古民家です✧ (HPより)
 
イメージ 10 
こちらは「清津川」沿いの駐車場から歩いて向かう時に見える「うつすいえ」の裏側✧
 本来ならば廃屋だけど・・・今ではスッカリお洒落な古民家に生まれ変わって家も嬉しそう♬^^
 
イメージ 41
「古民家風」ではなく「リアル古民家」の玄関を入ると↑↑のお洒落な土間があります✧
 
イメージ 11 
お洒落な土間から、床がガラス張りになっている部屋↑↑に入っていきます✧
床一面に張られたガラスは、高い天井に吊るされた小さな灯り・外庭の緑や
軒先~庭の端まで幾重に張られた縄なども写し込む、まさに「うつすいえ」!!✧
  
イメージ 37
そして・・・縁側に出てみると・・・軒先~庭の端まで幾重にも張られた縄に圧倒されます!!!
 
イメージ 12 
ものすごい縄のアートです!!✧    案内してくださった可愛らしい女子学生さんによると
(主催ゼミの学生さん?)この縄の全長は此処の家~清津峡までの距離(約1.5km)と
          同じ長さとのこと!!!
 
イメージ 42
こちらは軒先に幾重にも吊るされている縄のアップ(*≧▽≦*)
 
イメージ 40 
高い天井を見上げると・・・新潟の夜空の無数の星を再現したという小さなライトが見えます☆✧
 
 
 
中里かかしの庭(クリス・マシューズ氏) 中里地区 東田尻集落(2000年)
 
イメージ 13 
 
 
国道353号線と「清津川」の間に位置する「田尻の河原」は長年、川の氾濫の影響を受けてきた土地で、
地滑りで消えた集落との言い伝えもあるとのこと・・・
現在では、緑が多く美しい風景の「氾濫原」に伝統的な鹿子模様を連想させるカラフルな18体の
「かかし」が広域にわたって点在しています♬^^
 
 
 
たくさんの失われた窓のために(内海昭子氏)中里地区 桔梗原集落「桔梗原うるおい公園」(2006年)
 
イメージ 14
この作品を制作されたアーティスト・内海氏は妻有を来訪した際、この地の自然に
圧倒されたとのこと!!✧  自然を邪魔することなく慎ましく咲く花のような作品を
目指されたそうで・・・高原の凛とした爽やかな風にたなびく白いカーテンは
作品を鑑賞する人々の心に陽の光や、里山の風のそよぎを届けてくれるので
何故か・・・見ているだけで爽快な気持ちになり、超絶癒されます(✧ω✧)♬
 
イメージ 16 
”部屋の窓から見える風景は「私の風景」となる。窓から見える風景を通して外に広がる
妻有の風景をもう一度発見するための窓。揺れるカーテンは風を映す。” を意図として
 作られたとのこと✧ じつは・・・自分が「大地の芸術祭」に興味を持ったのは↑↑の素晴らしい
作品と周囲の美し過ぎる風景とがあまりにも融合している写真を見て、一目惚れして
これは!!! 是非とも実物を拝見したい・・・と思い、足を運んだ次第でした(✧▽✧)♬
 
イメージ 15
作品の向こう側(西側)には平ったくて広大な「河岸段丘」の風景が見られます✧
 
イメージ 24
簡単な展望台もあり、はるか南側の谷合の集落や田畑や山々まで見渡せます✧
 
イメージ 43 
展望台から見た美しい風景は、作品をますます引き立てています✧^^
※ 最近この素晴らしい作品に登る不届き者がいるそうですが本当に止めてほしいです(怒)
事故になり怪我等するのは全然勝手ですが、それによってこの素晴らしい作品が
けがされてしまうことを危惧しています・・・今後も、この地に定着していただきたいので!!!
 
 
 
日本に向けて北を定めよ  (74°33’2”)  (リチャード・ウィルソン氏)   中里地区 通り山集落 (2000年)
 
イメージ 46 
付近には駐車場がないので・・・やむなくレンタカーを路肩に停めてサッと撮影しました(汗) 
この作品は赤い鳥居&向かって右側にある摩訶不思議な水色の鉄骨がワンセットとのこと!!
     こちらは「大地の芸術祭」終了後も通年公開されています^^
 
イメージ 17
ロンドンにある作者さんの自宅をもとに実物大の構造だけ、方位を保ったまま妻有に移動
させたとのこと!!!  ロンドンと妻有という距離的にも文化的にも全くかけ離れた土地を
空間的に関係させた試みの作品とのこと・・・当初は背景の「中里中学校」の校庭(現役)に
造られていると思いこんでましたが・・・よ~く見ると・・・スグ隣の緑地にありました(^^;;;
 
イメージ 49
路肩に停めているレンタカー横の美しい田園風景にも癒されます(^ω^)
 
 
 
家の記憶(塩田千春氏) 松之山地区 下蝦池集落(2009年)
 
イメージ 18
ベルリン在住のアーティスト・塩田千春氏は越後妻有に2週間滞在され、
黒い毛糸を空家の1階から2階の天井裏まで縦横無尽に張り巡らせた際・・・
編み込まれているのは、地元の人たちから集めた「いらないけれども捨てられないもの」・・・
家具・衣類・書籍・空家に染みこんだ記憶を紡ぎながら、丁寧に糸で編んでいったとのこと!!
 
イメージ 19
階の最も広い部屋に張り巡らされた黒い毛糸の向こう側には・・・雪国独特の防具があり
一瞬ギョッ!! としました(><;;;) でも慣れてくるにつれて何だか哀愁を感じました・・・
 
イメージ 20 
1階の部屋; 地元の方々からいただいたという家具類が良い味を醸し出しています✧
↑↑を撮影してる自分の背後には中二階になった小部屋がありますが・・・始終混雑のため行けず
写真撮影を断念せざるを得なかったけど・・・人気があるのは良いことで家も喜んでいました♬
 
イメージ 21
階段を上って2階の踊り場に行くと2部屋に分かれていて、黒い毛糸も縦横無尽に
張り巡らされており素晴らしいアート作品となっています(*≧▽≦*)!!!
 
イメージ 22
2階の踊り場から天井の高い屋根裏を見渡せますが・・・此処にも縦横無尽に
おびただしい量の黒い毛糸が編み込まれて張り巡らされていて圧倒されました!!!!!
こちらも作品は「大地の芸術祭」終了後も不定期公開されるとのことです✧(事前要確認)
 
 
 
最後の教室(クリスチャン・ポルタンスキー氏 + ジャン・カルマン氏) 松之山地区
東川集落「旧・東川小学校」(2006年)
 
イメージ 45 
廃校となった「東川小学校」の体育館が正面入口で、超絶暑い日でしたが・・・入場すると
エアコンが効いていてめっちゃ涼しくて、綺麗なトイレも併設されていて嬉しい限り✧
 
イメージ 23 
じつに広くて立派な体育館の建物は廃校になり、放置するには勿体無さ過ぎでしたが
世界的アーティストのお二人によって、新たな命を吹き込まれて生き返っていました✧^^
 
イメージ 44 
エアコンが効いた体育館の一画の涼しいロビーから扉を開けて中に入ると・・・
真っ暗な中、蒸し暑さと共に床一面に敷かれた藁の香りが一斉に覆って来ます~~!!!
無数の扇風機と天井に吊るされたライトが摩訶不思議な世界を造り出しています✧
 
イメージ 25 
こちらは体育館から続く3階建ての廃校舎 周辺には駐車場もあって便利✧^^
このあたりから「ドンッ! ドンッ!!・・・」という心臓の鼓動音のような音が聞こえてきます!!
 
イメージ 26
真っ暗な体育館から続く、真っ暗な校舎の1階の長い廊下を
正面に設えられた大きなライトに向かって歩いて行きます~~
 
イメージ 27
廃校舎2階の元教室には幻想的な世界の美しいアートがあります✧
 
イメージ 47
元々教室で使用されていた机&椅子を無造作に?積み重ねて白い布で覆って
とっても幻想的なライトで照らして独特なアートを造り出しています(✧▽✧)
そして・・・2階の角部屋は旧・理科室ですが・・・怖くて正視できませんでした(- -;;;)
 
イメージ 28
そして・・・さらに階段を上って行き・・・廃校舎3階の元教室にも幻想的な世界の
白を基調とした(豪雪をイメージした?)美しいアートがあります✧
 
イメージ 29
2階と同じく3教室分丸々使用して大掛かりなアートが堪能できます✧^^
 
イメージ 30
こちらは3階の角部屋(←エントランスから最も離れた場所)に当たる元「音楽室」♬
 
イメージ 31
 
 
2003年に、この場所で作品を展開した作者さんは、今回計画を詰めるためこの地を訪れたのは記録的な
大雪となった2006年の冬だったとのこと・・・
そこには2003年に見たのとは全く異なる風景と、雪に閉ざされた学校が・・・5ヵ月もの間、
深い雪に閉ざされる豪雪地帯ということを、そのとき実感されたそうで・・・その場の記憶を
建物の中に密度濃く、重く閉じ込めた作品となったとのことです!!
一般公開に先立って行われた、地元の集落向けの内覧会には地域のお年寄りが多く参加された
とのことで・・・その際、地域・学校にまつわる物を持ってきていただき、それらはエントランスから最も
奥にある小さなスペース(おそらく↑↑の音楽室の奥にある棚)にひっそりと集められているとのこと♬
                                                                (HPより)
 
 
 
イメージ 32
ひと通り鑑賞したあと再び不気味だけど幻想的な1階の廊下を戻って行きます~~
 
イメージ 48
廃校舎の裏手には美しい棚田の風景&リアル案山子が見えてホッとします(*^ω^*)

 

 
 
土石流のモニュメント(磯辺行久氏) 津南町 辰ノ口集落(2015年)
 
イメージ 33
 
 
イメージ 35 
     辰ノ口の砂防ダムは、長野県北部地震で起きた土石流跡に建設されたところに、高さ3mの
     黄色いポール約230本を設置し、かつての土石流の痕跡を表現しているとのこと!!
  
イメージ 34 
砂防ダムの堤防には階段と展望台が設置されていて↑写真左側の「ビューポイント」も
あり、この作品の全容が一望できます✧(展望台は金・土・日のみ公開)
 
 
 
サイフォン導水のモニュメント(磯辺行久氏) 津南町 辰ノ口集落(2018年)
※ この作品は上記「土石流のモニュメント」と同じ展望台から見えます✧
 
イメージ 36
集落の地下280mにわたって埋没されている水力発電用の暗渠の中を流れる
       水の動きと音を可視化したとのことですが・・・この日は、本来膨らんでいるはずの
       長~~い赤×白の作品に空気が入れられてなく・・・しぼんでいました・・・(- -;;;)
 
 
 

かかしプロジェクト(大岩オスカール氏) 松代(まつだい)地区 松代集落(2000年)
 

イメージ 38
松代(まつだい)地区の美しい棚田に立ち並ぶ真っ赤なかかしは、両手を広げていたり
赤ちゃんを抱いていたりと・・・棚田で働く人やその家族を表している印象深いアートな作品となっています♬
 
 
 
花咲ける妻有(草間彌生氏) 松代地区 松代集落(2003年)
 
イメージ 39
今回、最も鑑賞したい作品のひとつでしたので超絶感動いたしました(✧▽✧)!!!♬
 
 
「妻有は気高い土地である。どんな作品でも大手を広げて自由に包みこんでくれる寛容の地である。
私が作った巨大な花の野外彫刻作品がここに置かれて妻有の空気を讃美し、美しい陽光を天から
そそがれて、この上ない心の安らぎをおぼえている。世界から人が見にきて欲しい。そして全作品を
ミドリの森や林の奥にみつけて妻有に来た感動をあじわって欲しい。大地の芸術祭バンザイである。
野外彫刻は全世界と日本を含めて数ヶ所作った中でも「花咲ける妻有」は、私のお気に入りの
ナンバーワンである。」
(HPに掲載されている草間先生直々のコメントが素晴らし過ぎるので、そのままそっくり記載させて
いただきました!!✧)
 
 
 
「大地の芸術祭」期間だけでなく、終了後も常設されている作品も多々あるようで
まだ鑑賞していない作品もたくさんあるので・・・
山菜の美味しい来年の春あたりに、温泉巡りも兼ねて、この美し過ぎる町に再訪しようと
心に決めました。
 
 
 
 
* 撮影日; 2018年8月下旬 *
 
 
 
 
次回は「おんせん県おおいた 湯三昧一人旅」最終日1湯目に戻ります。