2泊目
JR中之条駅~川原湯温泉駅までは普通列車で行った。
この駅に降り立つのはこれで3回目!!
この駅もいずれは、ダム湖底に沈んでしまうのか・・・・・・
・・・と思うと、何とも形容し難い・・・やるせない気分・・・(;ω;)
この駅から徒歩約15分ほどで、川原湯温泉の温泉街に到着する。
標高約600mに位置する川原湯温泉は、吾妻川の谷間上部の道路沿いに数軒の旅館が点在する、
どこか懐かしい郷愁を誘う、昔ながらの鄙びた温泉地。
その歴史は古く、源頼朝が狩りをしている最中に発見したとされ、温泉街にある3つの共同浴場のうち、
「王湯」(ホントは「玉湯」と書いて「おうゆ」と読むらしい)には、それにちなんで源氏の家紋
「笹リンドウ」が掲げられている。
江戸時代(1817年)には、諸国温泉効能鑑(温泉番付)にこの川原湯の名も刻まれた。
古くから若山牧水をはじめ、多くの文人墨客がこの地を訪れている。
川原湯温泉には、変わったお祭りがある。
毎年1月20日の大寒・早朝5時より、「湯かけ祭り」といわれるものだ。
紅白を、褌の色で区別し、二手に分かれて「お祝いだ!お祝いだ!」と叫びながら温泉を掛けあう。
そして最後に鶏が入ったくす玉が割れ、鶏を捕まえた人に幸運が訪れるというもの。
自分は、某国営放送の関東版ニュースにて、TVでしか見たことが無いが・・・すごい迫力がある!!!
そのような魅力溢れる温泉地が、八ツ場(やんば)ダム完成後にはダムの底に水没してしまうので、
貴重な自然湧出の源泉もダム湖に沈んでしまう・・・・・自分は、香りといい効能といい、このお湯をとっても
気に入っているのに・・・(;ω;)
対策として、温泉街最上部の予定湖面より高い地点(現在の川原湯神社あたり)にボーリング調査によって
新源泉が掘り当てられた・・・そこに新しい温泉街「新川原湯温泉」を建設中である。
しかし・・・湯量や泉質は果たして旧源泉の代替となるのか・・・不安の声も多々あるとのこと・・・。
自分たちがこの地を3度訪れた時はまだ、八ツ場ダム建設中止などと出来もしないことをほざいている、
民主党政権がのさばっている前だったので、ただでさえ鄙びた温泉街には、ほとんど人影もなくて廃業する
旅館も多く、この温泉地大丈夫なのかな?と思うくらいほとんど誰にも会わなかった・・・。
結局、建設中止にはならなかったが・・・この一連の出来事で、一躍渦中の温泉地となり、あの鄙びた頃と
比べると、数十倍もの人々が押し寄せるようになったというのだ!!
それはとってもうれしいことだが・・・あの頃の、静かすぎる鄙びた趣きが大のお気に入りで、3度も訪れた
(柏屋旅館さん×1・山木館さん×2回)のだけど。
ダムの底に沈んでしまう前に、もう一度訪れたいのだが・・・最近は騒々し過ぎる(>_<)
今回が2回目の、お世話になる山木館さんは、「水車とムササビの宿」として有名。
1661年創業、現在は14代目のご主人が素晴らしいお宿を守っている。
昭和初期には、当時大人気だった「のらくろ」の作者・田河水泡先生が、このお宿に滞在しながら原稿を
講談社まで送っていたとのこと。
全10室のこぢんまりとした館内は、玄関から見ると2階建ての極めて小さいお宿のように見えるが、
吾妻川の渓谷沿いに建っているので、実は5階建てであった!!!
フロントのあるところは4階なのである。
館内は迷路のようになっており、とにかく階段が多い。
このお宿のシンボル・水車は、40年ほど前に、水車を使用していた農家が解体されるので譲り受けた
とのこと。
現在でも現役で働いており、前日までに予約しておけばいただける「麦とろ飯」(525円・税込)の麦を
ついている・・・毎回この「麦とろ飯」をいただくが、実に美味しい!!!(*^。^*)
もうひとつの呼び物「ムササビ」は、1984年頃に野生のムササビが客室の天井裏に入って、宿泊客から
苦情が寄せられ、その対策としてお宿敷地内の大木に餌台を付けたことによって、こちらの方に餌を食べに
来るようになり・・・これが宿泊客にウケて大人気となったことが、各種マスコミに取り上げられて有名となり、「ムササビの宿」と呼ばれるようになったといわれる。
八ッ場ダム建設のため、旧山木館さんは2013年5月31日に閉館し、2013年9月から
新しい場所(南方向に約80mほど山の上に上がった「新川原湯温泉」)で
水車の宿 山木館さんとして再開されています!!✧
自分たちのお気に入りのお部屋は、空いてれば60分・無料で何回も入れる貸切風呂「岩の湯」のすぐ
お隣「かわせみ」の間(*≧▽≦*)♡^^
あの、癒しの貸切風呂を自分たちの部屋の一部のようにできるので最高~!!!
くつろぎのお部屋には、もう5月だというのに、コタツが出ていた(*^_^*)
2008年5月GWに訪れた時の新緑の風景・・・まだ正面の山肌は自然のまま!!
2009年5月GW・・・正面の山肌はダム建設のために造成されている(*_*)
まずは貸切風呂「岩の湯」があいていたので、ゆ~~っくりと良質の温泉を思いっきり満喫した(*^-^*)v
上の風景は、自分たちの部屋から撮ったものなので、すぐお隣の貸切風呂からも楽しむことができる^^
その次に、洗い場の無い露天風呂「望郷の湯」へ!!
女性用のこのお風呂からは水車が見えないのが、すごく悔しい(>_<)
お隣の男性用「水車の湯」からはバッチリ見えるのに・・・・・・
そのうえ、お湯がぬるいので、熱い湯好きの私たちは早々に退散・・・
次に、内湯大浴場に行き、思い切り熱い温泉(ぬる湯好きの方にはキビシい)を、貸切状態で
ゆ~~っくりと満喫できた(*^^*)♪
泉質;含硫黄-カルシウム・ナトリウム塩化物・硫酸塩温泉 pH; 7.1
微黄色透明・無味・硫黄臭
硫黄臭といっても、白濁色の卵腐臭のようなものではなく、鉱物臭のような独特な香り。
多少白い湯の花あり✧^^ 加水あり、かけ流し
効能;神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性消化器病・打ち身・くじき・五十肩・運動麻痺・疲労回復などの
一般適応症のほか
慢性皮膚病・慢性婦人病・切り傷・やけど・肌荒れなど
そのあとは、楽しみな夕食。
地元産の食材をふんだんに使用した、和会席料理をお部屋でゆ~っくりといただいた♬^^
手作りこんにゃく・山菜の天ぷら・岩魚焼・川魚のお造りなどなど・・・
どのお料理も、と~~っても美味しい♡^^
地酒と共に美味し~く完食\(^o^)/
食後には、例の予約してあった「麦とろ飯」が出てくる~~♬✧^^
これがもう、たまらなく美味しくって最高(✧▽✧)♡^^
2009年滞在時にはとうとう来なかったが・・・2008年には、この時季はムササビの大好物・若葉の新芽が
美味しいのでめったに来ないと、チェックイン時に言われていたので諦めていたムササビが・・・
なんと、運良く来てくれた~~~\(^o^)/\(^o^)/♬✧
4階ロビー談話室の窓の外からよ~~く見えるので、ムササビが来訪すると、お宿の方が電話で来たことを
各お部屋に「2コール」で伝えていただける♬^^
私たちはちょうど、お隣の貸切風呂があいていたので・・・
まさに、ちょうど行こうとしていたその時、電話のベルが鳴った~~~!!!✧
長く急な階段を昇り急いで到着し、先客の10名ほどをかき分けるように窓辺に行くと・・・
そこには、可愛らしい人気者「モモ太」クンがひたすら餌台にあるエサを食べては、こちらをジ~~ッと
見ている!!!
愛嬌のある丸顔に丸い黒い目、リスをひと回り大きくした感じの体格・太いフワフワのしっぽが、
と~~っても可愛い~~~(=^・^=)!!!
ライトアップされていたが少しも動じず、30分間ほどエサを食べていたが・・・
やがて、スルスルと木を登り手足を広げて夜空に舞って去って行った~~~
この時すでに、23時半であったが、普通こんなに早い時間には来ないらしい・・・!!
と~~~ってもラッキーだった~~~\(^o^)/\(^o^)/
分かりにくいけど・・・中央部・茶色の物体がムササビ「モモ太クン」♡^^
オレンジ色に光っているのが目!!✧
そのあとは、しっかり貸切風呂「岩の湯」で、硫黄の香り漂う良質の温泉を心ゆくまで堪能した(*^。^*)♨✧
しかし・・・ムササビコールはたったの2コールなので・・・先程は、タッチの差でお風呂に行ってたりしていたら
危うく・・・・・・すっかり見逃していた~~~( ▽||||||||||||)
翌朝の大浴場は、男女が入れ替わっていたので、違った趣きのお風呂で良質の温泉をたっぷりと
楽しめた~~(*^。^*)
朝食は、ロビー横の広間で郷土色あふれる和食膳を美味しくいただいた(*^u^*)
このお宿がお気に入りの理由のひとつ・・・群馬県なのに、何も申し出でなくても納豆が出ないこと!!✧^^
そのうえ、山菜のお浸しやフキ味噌など、とっても美味しい♬✧
そしてこのお宿が大好きな理由のひとつ・・・一番といってもいいかも・・・・・・♡^^
とっても可愛すぎる看板犬「ショータ君」(=^・^=)
2007年9月に、一番最初に宿泊した柏屋旅館さんの帰り道に、このお宿の前を通った時・・・
愛嬌たっぷりの彼に出逢ったので、今度はぜひ・・・と思い、その後このお宿には2回訪れた次第(*^^ゞ
ムクムクでフワフワな毛並みが、と~~っても手触り良すぎる、めっちゃ癒し系の愛すべき人なつこい
可愛過ぎるワンちゃん~~(*^-^*)♡✧
バイバイ~~!!!って言うとスッゴく淋しそうな表情をする彼がたまらなく
可愛いかった・・・(;ω;)
※ 彼は2013年9月「新川原湯温泉」移転の数ヶ月前に亡くなった(享年14歳)と
お宿のご主人に聞き・・・↑↑の写真を撮って以来、ずっと逢っていなかったので・・・
物凄いショックを受けました・・・(大泣)
チェックアウト後、可愛すぎる彼としばらくの間戯れていると、14代目のご主人が出て来られて、
「これ記念にどうぞ♪」と鉢植えの山椒の木を下さったのだが・・・
電車で来た旨&ウチは風通しの良すぎるマンションで、バルコニーは不毛の地(置いたら最後、鉢植えは
マメに水やりしても必ず即枯れるほとの乾燥地帯・・・;ω;)なので、山椒が可哀想との旨お伝えして、
残念ながら断ってしまった・・・(*_*)
本当にスミマセン<m(_ _;)m>
でも、必ずまた来ます音符^^と別れを告げて帰路に着いた・・・。
そして・・・このあと訪れた「吾妻渓谷」
・・・ここも、ダムが完成すれば湖底に沈んでしまう・・・(>_<)
最後に・・・一番最初に訪れた、柏屋旅館さんの夕食♬✧^^
郷土色やメニューは山木館さんの方が数段上(写真が無いのが残念;ω;)だったが・・・
手作り感溢れるお料理はボリュームがあって、とっても美味しかった✧^^
温泉の泉質も全く同じ・・・このお宿も、なかなかいいお宿であった(*≧▽≦*)♨✧
※ 柏屋旅館さんは、新川原湯温泉では温泉宿を再開されないとのことです・・・(;ω;)
次回は、まず東京駅からサンライズ瀬戸(寝台特急)に乗り、九州・由布院温泉~原鶴温泉~
山口県・錦帯橋温泉~周防大島・片添ケ浜温泉~岡山県・鷲羽山吹上温泉~大阪府・摂津峡温泉
7泊8日の旅の回想録(このあと大阪の実家)に続きます。